<h2><strong>特定技能、ベトナム人材シェア初の半数割れ ,多国籍化がより加速へ</strong></h2><p>日本の深刻な人手不足を補うために導入された在留資格「特定技能1号」。<br><br>2025年6月末時点で、日本に滞在する特定技能のベトナム人は <strong>14万6,270人(前年比 +15%)</strong> と依然として最大勢力であるものの、伸び率は年々鈍化しています。制度全体の伸び率(+32%)を下回り、<strong>シェアは44%と初めて半数を割り込みました。</strong></p><p>背景には、インドネシア・フィリピン・ミャンマー・ネパールなど、他国からの特定技能人材が急増していることが挙げられます。実際、インドネシアは前年比+57%、ミャンマーは+87%と大幅に拡大しており、特定技能の国籍構成は大きく変化し始めています。</p><h2>■ <strong>特定技能1号の急増と実習生からの移行</strong></h2><p>特定技能1号は2019年にスタートし、在留者数はコロナ後に急速に増加。<br><br>2025年6月には <strong>33万3,123人(前年比 +32%)</strong> に達しました。</p><p>特定技能の主な供給源は技能実習生で、</p><ul><li><p>全体の <strong>56%</strong> が実習終了後に特定技能へ移行</p></li><li><p>ベトナム人に限れば <strong>71%</strong> が元実習生</p></li></ul><p>これまで特定技能の「母体」となっていたベトナム人材の比率が落ち始めたことは、市場構造の転換を象徴しています。</p><h2>■ <strong>なぜベトナムの伸びが鈍化しているのか?</strong></h2><p><strong>ウィルオブ・ベトナム社の相川社長</strong> は以下の理由を挙げています:</p><h3><strong>1)他国の日本語教育・送り出し体制の強化</strong></h3><p>インドネシアやフィリピンなど、多くの国で教育水準が上がり、送り出し機関の質も向上。</p><h3><strong>2)ベトナムの人件費上昇 → 企業がリスク分散</strong></h3><p>「今後ベトナムだけに頼らないように」と、他国の人材も積極的に採用し始める企業が増加。</p><h3><strong>3)日本より台湾を選ぶ人材が増加</strong></h3><p>台湾は語学力より実務経験を重視し、準備期間も短い(日本9ヶ月 → 台湾2〜3ヶ月)。<br><br>円安の影響で、日本で働くメリットが相対的に下がっていることも要因とみられます。</p><h2>■ <strong>分野別の受け入れ状況</strong></h2><p>特定技能の16分野のうち、ベトナム人比率が高いのは:</p><ul><li><p><strong>飲食料品製造:51,590人(ベトナム人 50%以上)</strong></p></li><li><p><strong>工業製品製造:29,327人</strong></p></li><li><p><strong>建設:27,811人(+31%)</strong></p></li></ul><p>また、外食・宿泊・航空などサービス領域でも人材需要が大きく拡大しています。</p><h2>■ <strong>今後の見通し:増加は続くが、シェアは下がる</strong></h2><p>相川社長は「ベトナム人材は今後も増えるが、シェアは徐々に低下する」と予測。<br><br>特定技能は今後さらに<strong>多国籍化が進む時代</strong>へ移行していくとみられています。</p><p>2027年から始まる新制度「育成就労」については、現時点では特定技能の勢力図を大きく変えるほどの影響は少ないとの見解です。</p>