<p>最近のカンボジア経済は、アジアでも屈指の高成長ぶりを示しています。景気拡大の主な牽引役は、縫製品輸出、建設・不動産部門、観光業、小売部門などであり、それらは、海外からの直接投資流入に支えられています。また、原油価格が低水準で推移してきたことも景気拡大への追い風となりました。カンボジアは、ASEANで最も貧しい国のはずなのに、首都プノンペンでは高額消費ブームが起こっています。プノンペン市内では、近年、高級コンドミニアムの建設ラッシュで地価が急上昇しており、こうした地価高騰を背景に、不動産開発用地の売却で巨額の資金を手にした「にわか土地成金」が高額消費の担い手になっていると見られます。カンボジアでは、通貨「リエル」が発行されているが、実際には、米ドルが広汎に使用され、経済が事実上「ドル化」しており、金融・商業活動における決済の大部分がドル払いです。ドル化の大きなメリットは、物価の安定である。また、ドル化には、外国からの投資流入促進効果もあります。すなわち、外国投資家から見て、米ドルが使えるカンボジアは、為替リスクのない投資先となるからです。ドル化は、カンボジア経済好調の原動力である外国からの直接投資流入を支えているという意味で、経済成長促進要因になっていると言えます。ドル化しているゆえ、カンボジアには「通貨主権」や「金融の独立」がないに等しいです。ただ、そうかといって、米ドル流通を禁止しリエル使用を強制すれば、物価が高騰し投資流入にブレーキがかかり、経済が混乱に陥ります。このため、カンボジアは、当面、ドル化を続けるしかなく、外資系企業や国際機関も、経済の安定維持の観点から、ドル化の継続を支持しています。</p><p>カンボジア経済は2004年から2007年までの4年間、10%を超える高い経済成長を記録しました。しかし、サブプライムローン問題に端を発した世界同時不況の影響を受け、2009年の経済成長率は0.1%まで落ち込んだものの、翌年の2010年には6.1%にまで回復しました。2011年以降2019年までは、堅調な縫製品等の輸出品、建設業、サービス業及び海外直接投資の順調な増加により、年率約7%の安定した経済成長を続けていました。2020年は新型コロナウイルスの影響を受けてマイナス成長となったが、2021年についてはプラス成長が見込まれています。</p><p>世界銀行は1月11日発表の「世界経済見通し(GEP)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の中で、2022年のカンボジアの実質GDP成長率を前年比4.5%と予測です。一方で、新型コロナウイルス感染再拡大のリスクや、観光業、建設業、不動産業などのサービス分野での回復の遅れにより、前回発表(2021年6月)から予測値を0.7ポイント引き下げました。また、2023年については5.5%と予測し、前回発表から0.5ポイント引き下げた。なお、2021年の成長率(推定)も2.2%と、1.8ポイント引き下げました。他方、世界銀行は、2021年12月9日に発行したカンボジア経済レポート「Living with Covid-19」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、衣料品、旅行用品、靴、自転車などの製造業や農業といった主力産業が、今後の景気回復を下支えし、新型コロナ禍の移動制限などの各種規制の緩和とともに、経済が回復すると予想しています。一方で、同レポートでも、世界的な需要停滞による輸出志向型産業の落ち込みや、観光業の想定外の回復の遅れの可能性について触れています。その上で、早急な景気回復のためには、「新型コロナ禍」のニューノーマル(新常態)に関する明確なルール策定、観光業の回復を支援するための財政措置、2021年10月に施行された新投資法(2021年10月21日記事参照)の着実な実施による投資促進などを提案しています。<br></p><p><br></p><p>#特定技能</p><p>#特定技能求人</p><p>#特定技能人材</p><p>#特定技能制度</p><p>#tokuteigino</p><p>#tokutei</p><p>#tokutei-gino</p><p>#外国人採用</p><p>#外国人求人</p>