<h3>■ 改正の背景と目的</h3>近年、「経営・管理」在留資格を利用した形だけの会社設立や不正な在留申請が問題となっており、入管当局は制度の厳格化を求められていた。 今回の改正により、企業活動の実態や経営の安定性を重視した新たな審査基準が導入される。<hr><h3>■ 改正の主なポイント</h3><ol><li>事業所の実体確認を強化 　実際に事業活動を行っている拠点であることを証明する資料（契約書、写真、営業記録等）の提出を義務化。 　仮想オフィスや名義貸しのみの事業は認められない。</li><li>資本金および雇用基準を明確化 　従来どおり、資本金500万円以上または常勤の日本人等1名以上の雇用を満たすことを明記。 　これにより、安定した経営基盤を持つ事業者を優先的に認める。</li><li>新規開業者への審査を厳格化 　新規事業については、事業計画書や資金繰り計画、組織体制を詳細に審査。 　事業実態が確認できない場合は、許可を見送る方針。</li><li>経営者・管理者の能力評価を重視 　申請者には、経営経験、学歴、資格、事業実績などを通じて経営能力を具体的に証明することを求める。 　地域経済への貢献や雇用創出が見込まれる事業を優先的に支援。</li></ol><hr><h3>■ 今後の運用方針</h3>入管庁は「不正な在留を防止しつつ、真に日本で事業を行う意欲と能力を持つ外国人を適正に受け入れる」としており、管理の厳格化と国際的な投資促進の両立を目指す方針だ。今回の改正により、経営・管理分野における在留資格審査は、より透明性・実効性の高い制度へと移行することになる。

出入国在留管理庁、審査の厳格化と制度の透明化を目的に

出入国在留管理庁は、外国人が日本で企業経営や事業管理を行うための在留資格「経営・管理」に関する上陸基準省令を改正し、2025年6月1日から施行した。
今回の改正は、制度の適正運用を図るとともに、実態を伴わない経営活動を防止し、真に事業を行う外国人経営者・管理者を支援することを目的としている。