介護分野における特定技能制度および育成就労制度の運用方針について
外国人介護人材の受入れ拡大と適正な育成体制の構築
政府は、介護分野における深刻な人手不足に対応するため、「特定技能」および「育成就労」に関する分野別運用方針を策定しました。本方針は、出入国管理及び難民認定法ならびに育成就労法に基づき、外国人材の適正な受入れと保護、そして持続可能な介護提供体制の確立を目的とするものです。
1.制度創設の背景と目的
高齢化の進展に伴い、介護分野では全国的に人材不足が続いています。
令和10年度には約235万人の介護職員が必要と推計されており、国内人材確保や生産性向上の取組を進めても、なお約16万人規模の不足が見込まれています。
この状況を踏まえ、
特定技能外国人:即戦力として現場で従事できる人材の受入れ
育成就労外国人:日本での就労を通じて専門的技能を段階的に修得させる人材育成を両輪として制度運用が行われます。
2.受入れ見込数(上限)
令和6年度から令和10年度までの受入れ上限は以下のとおりです。
介護分野全体:約160,700人
1号特定技能外国人:約126,900人
育成就労外国人:約33,800人
受入れは客観的指標(有効求人倍率、在留者数、介護保険事業計画等)を踏まえて調整され、必要に応じて在留資格認定証明書の交付停止措置なども講じられます。
3.求められる技能・日本語能力
■ 特定技能(1号)
介護特定技能評価試験(技能)合格
「日本語教育の参照枠」A2.2相当以上
介護特定技能評価試験(日本語)合格
■ 育成就労
開始前:A2.2相当以上の日本語能力
1年経過時:介護育成就労評価試験(初級)合格
修了時:介護育成就労評価試験(専門級)合格
段階的に専門性を高め、将来的な特定技能移行やキャリア形成を見据えた育成プログラムが整備されます。
4.業務内容と雇用形態
業務区分:介護
従事業務:身体介護(入浴・排せつ・食事介助等)
雇用形態:直接雇用のみ
訪問介護に従事する場合は、初任者研修修了や同行指導、ICT活用、ハラスメント防止体制整備など、厳格な条件が課されます。
5.地域偏在防止および定着支援
都市部への過度な集中を防ぐため、地域医療介護総合確保基金を活用し、地方自治体の人材確保施策を支援します。
また、育成就労制度では原則2年間の転籍制限期間を設け、利用者との信頼関係構築や専門性向上を図ります。
6.安全・治安・適正運用への対応
犯罪・失踪・不適切な送出機関への対応強化
公租公課の適正納付義務
情報共有体制の整備
相談窓口・ハラスメント防止措置の義務化
外国人材が安心して働ける環境整備とともに、利用者の安全確保と地域社会との共生を推進します。
介護分野における特定技能制度および育成就労制度は、単なる労働力補完策ではなく、
「育成」「定着」「キャリア形成」を重視した中長期的な人材戦略です。
今後も、生産性向上や処遇改善、国内人材確保と並行しながら、外国人材の適正かつ計画的な受入れが進められます。
当社としても、制度の趣旨を踏まえ、適正な受入れ支援と質の高い人材マッチングを推進してまいります。
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